高橋信次著「大自然の波動と生命」における物質論の要約

第1章 他界より見た地上界

大自然における地球は、人間及び動植物が生存している居住遊星の一つである。天体や遊星の配列や、相互関係は原子の電子構造や、元素の周期律と同じように精密である。地上界は神意によって、私たちの魂を磨き地上界に極楽を築く目的を使命として、肉体という舟に乗った生命の修行場である。この修行場は大自然生命本体大神霊より、万物を与えられている宝庫を、平和共存の理想を築く為、私たち人類が中心となり使用することによって報恩が神に通ずるのである。しかし、神より預かっている資源を、特定の国家や個人の独占物として私利私欲を貪っている人々が多いのである。その結果、経済的、物資的不平が争いの原因となっている。欲心は、自らの人間性を失い、暗い想念は闘争となり、破壊を呼ぶのである。私たちは、地上の万物を魂修行の目的に使用すべきであり、万物相互扶助の精神を忘れてはならない。石炭も石油も金・銀・銅総ての資源を、私たち一人一人の正しい想念による調和された社会を築き、大衆の幸福のために使用されるべきである。他界では、相互扶助による生計であり、闘争の無い極楽地である。私たちも過去世において誰でも魂を磨いてきた生命であるが、現象界に生まれると本性を忘れ、自我我欲に満足してしまう。人間は協力して平和な世界を地上に建設しなければならない。指導者は更に品性の高い境地に立って、慈悲心を持って指導しなければならない。


第2章 大自然の循環

(1)エネルギー

エネルギーの物理的定義は、仕事をなしうる能力と言う。仕事は加速度×質量を距離の積で測る。機械的エネルギーには運動のエネルギーと位置のエネルギーがある。運動のエネルギーは運動している物体の持つエネルギーであり、位置のエネルギーは物質の位置、形が変化している為に持っているエネルギーである。大宇宙も太陽系も莫大なエネルギー源によって、一定のリズムで自転、公転をなし、エネルギーの消失循環を続けている。エネルギーには質量がある。一定の秩序を持って循環しているその根元が大宇宙生命本体エネルギーの元である。

私たちも肉体を持ち、生命即ち意識を持っている。そして、自分自身の小宇宙を支配している。体内外の機能は、一定の秩序を持って働き、鉱物・植物・動物のエネルギー源よりエネルギーを吸収して成長している。私たちが物を考える場合、脳内の感応によって電気的現象が起きる。一念のエネルギーは脳内において、皮質の外側に「+」の電荷が、内側に「-」の電荷が帯電して脳波が変わる。心臓が止まり、諸器官が停止すれば、脳の波動も停止するのであり、生命は現象界より去るのである。精神的な問題で悩み、あらゆる問題を深く考えた場合も疲労する。この疲労もエネルギーの消失である。肉体労働も疲労するのでエネルギーを消費しているのである。音のエネルギーは空気その他を媒介として、耳の鼓膜に振動し、その波動は脳内の聴覚に伝わり、その音を知り、物を見るエネルギーは光の波動と目の波動により、物を見ている。臭覚も波動によって嗅ぎ分けるのである。私たちの声も波動によって発生し、波動によって伝わっていく。総てがエネルギーの作用であり、総て元があるはずである。この元こそ、自分自身の意識即ち生命・魂である。私たちは、生命のエネルギーと肉体のエネルギーによって送受作用をして生活を続けている。熱・光・磁力・電波等も波動であり、エネルギーである。

(A)仕事(作用と反作用即ち原因と結果の法則)

物体に力を作用させて、その方向に物体を動かした時、この力または力を加えた物は仕事をしたと言う。仕事の大きさを「W」 加えた力を「F」動いた距離を「S」とすると仕事は次の通りに表わせる。 W=F×Sとなる。


(B)加速度

物体に力を加える時、物体の速度を「Vo」 T秒後の速度を「V」とすると、加速度「A」は次のように表わされる。 A=(V-Vo)÷Tとなる。


(C)力

Mの物質に力「F」を加えると力の方向に加速度「A」を生じる。

F=MAで質量Mと加速度Aの積は力となる。仕事は総てエネルギーの移動であり、原因が発生して結果が生じるのである。


(2)エネルギー不変の法則

エネルギーを持っている物体が、仕事をすると同時に、そのエネルギーはいろいろ形を変えて、他の物体に移る。変化の時でも、変化の前後におけるエネルギーの総和には変化が無い。エネルギーは恒存され、不変である。


(3)エネルギーの源

地球上に起こる様々な自然現象は、殆ど太陽の熱エネルギーによって起こる。地球の自転・公転・月の自転・公転総て莫大なエネルギーが働いている。熱エネルギーは水圏の水を蒸発させ、空中で冷却して雲を作り、大地に雨を降らせ、生物に慈雨を与えて成長を助けている。太古に育成した生物は、熱エネルギーと物理的作用によって科学変化を起こし、石炭・石油となり熱エネルギー源として欠くことのできない大自然の恵みである。地上のエネルギーは太陽が源となっている。潮の干満は地球・月・太陽の運動による引力が原因となる。地球の火山や温泉は、地球自体の熱エネルギーが源になっている。相対性理論によると質量もエネルギーも同一のものであり、光の速度の平方に質量を乗じた数になり、莫大なエネルギーに変わるのである。 E=MC2

一グラムの物質が全部エネルギーに変化すると、一馬力のモーターを3800年間運転することが出来る。原子の質量が全部エネルギーに変わるように、現代科学は進歩を続けている。

(4)物質の生命

生物は細胞で構成され、細胞は原子で構成されている。私たちの各機能は適材適所に応じた細胞集団で構成され、骨格によって支えられており、各細胞もエネルギーを持って核分裂する小生命体である。意識は脳細胞に働き、生命体として感応作用を持ち、物を考えるエネルギーを持っている。このエネルギーは知性と理性を持つ生命力であり、小宇宙生命体である。大自然生命本体エネルギーの根本は、万物を支配しており、私たちの生命は生命本体の分身であり、一念のエネルギーは時間・空間を超越して大自然生命本体に通じている。万物のエネルギーは宇宙大自然生命本体が与えている。物質は総て現世の時間と空間に影響され、質量と空間を持っている。私たちの肉体は、死後において大自然に還元されて二酸化炭素その他の化合物となり、あらゆる分野に分解し、循環されて行く。原子は核と電子の組み合わせによって存在している。原子は原子としての生命を持ち、エネルギーを含有して、外力に影響を受けない限り、中性子のバランスが崩れない限り、安定を保っている。私たちの考えるエネルギーが、宇宙生命に通じ、無限大である為、万物を支配できなくてはならないのである。

(5)太陽系の循環

太陽系の惑星には水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の九大惑星がある。(最近は冥王星を惑星から除外している。)木星は最大の惑星であるが、質量は太陽の千分の一に過ぎない。太陽系は太陽の引力によって整然と運行し、循環の法則に従っている。

第3章 太陽系の循環

太陽系の惑星は、太陽を中心として運動を続け、その軌道は、ほぼ円形に近く、水星と冥王星は楕円形の軌道を公転している。惑星を回る衛星の公転も、殆ど円形に近い軌道を同一方向に回っているが、一部は楕円軌道を描くものもあり、太陽より遠い距離にある天王星・冥王星等のように、特異な運動をするのが似ている。太陽系の惑星が一定の秩序を持っていることは、太陽系の成因に深い関係があって、大宇宙空間の中で太陽系も一定の秩序で公転している。

(1)太陽の運動

太陽は、太陽系の中心にあって、地球を始めとする、多くの惑星の運動を支配している恒星である。太陽系も銀河系の中心から、三十五万光年外れた恒星集団であって、主系列星の一つである。太陽に光と熱のエネルギーが無かったら、月も他の惑星も光を失い、大海は凍り、風も無く、川の水も無く、生物の生存は不可能な状態になる。人類の使用するエネルギーは、殆ど太陽から得られている。水力も風力も太陽が元である。しかし、潮の干満は太陽・地球・月の引力によって生ずるエネルギーであるが、火山・温泉・原子力等は太陽によらないエネルギー源である。太陽は貧富の区別無く、万物万人に平等な慈悲を分与している。この感謝を万物に対し、平和な環境建設のために努力することが、報恩の姿である。太陽は太陽系の惑星の集団を引き連れて一秒に十九kmの速さで、ヘラクレス座の方向に運動を続けている。


(2)地球の運動

地球の気候は、地球の公転・自転の運動と、太陽のエネルギーの結果である。

冬における太陽のエネルギーは、地球の地表に斜めに当たり、夏は直角に当たる為、地表面の単位面積に受ける熱量が変化して寒暖の差が生ずるのである。この寒暖が、地表の水分に循環作用として、雨や雪となって大地を潤すのである。土中の種子は、成長して地表に芽を出すと、大気中の酸素や二酸化炭素、その他の化合物と光のエネルギーが作用し、生育し、種子へと循環されていく。地球の自転・公転は、地表万物に作用し、私たちの肉体・生命もこの法則の中に秩序ある循環を繰り返している。私たちの住む日本は77・47度の角度で地球が軌道を公転している時が夏の季節であり、30・53度の時が冬の季節である。冬は地表に太陽の熱・光が低角度のため、照射の焦点がずれているために寒いのである。太陽の直径は約139万kmで、地球の直径の109倍、体積は地球の130倍である。地球は太陽から数えて三番目の惑星であり、他の惑星と比較して好条件に恵まれ、生命の発生、進化を繰り返している。地球は、南北軸の回りを自転し、太陽の回りを公転している。自転の周期は23時間56分4091秒であり、公転の周期は365・2422日である。

地球内外に起こる潮汐や、物質によって生ずる摩擦の為、百年につき千分の一程度の割合で誤差が出ている。地球が軌道を公転する速さは、地球と太陽を結び直線が一定の時間と一定の面積を描くように動いている。地球の地軸は、公転面に垂直でなく、66・5度の傾斜角度をしている。公転は、一年を周期として北緯35度の時点で、冬至の日は31・5度から夏至で78・5度と変化する。

中緯度では、春夏秋冬の四季が生まれ、北半球と南半球とでは逆になり、日射量に大きな変化を起こすのも、地軸の傾斜に起因している。公転は近日点近くで速く、遠日点付近では遅く運動している。暦は、一年の季節の春夏秋冬の移り変わりを知り、地球の公転周期は一日の整数倍ではなく、年々季節とのズレを生じている。そのために、365日の平年と366日の閏年とを組み合わせて調整している。地球上で物体を落とすと、加速度を生じて落下する。この加速度は980gで地表の位置によって多少異なる。これは、地球の運動に起因する為である。地球は、楕円体なので赤道に近づく程、地球の中心より遠くなり、引力は少なくなる。引力の法則は磁場内においては通用するが、原子核の中ではニュートンの法則は成立しない。引力以外の空間においても利用できないことが解明されている。地球は巨大な磁石であり、地表には磁力が働いており、地磁気と磁石には誤差があり、これを磁針誤差という。磁力は温度変化によって起こる電気作用が大きく地表の磁性体に働いている。


(3)月の運動

月は地球の衛星であり、地球に一番近い天体である。明るさも太陽に次いで明るい。月の一定周期による現象の中に月の満ち欠け現象は最も著しい天体現象である。月は地球の四分の一で、38万4403kmと計算され、直径は約3876kmである。引力も地球の六分の一に過ぎないので、月の面を出発する宇宙船は、秒速2・38キロで月の引力から脱出することが出来る。月は地球の回りを27日7時間43分1秒かけて一周即ち公転し、またこの間に月自身も一回転即ち自転している。月が地球に対して何時も同じ面を向いているのはこのためである。


(4)太陽・地球・月の関係

地球の引潮・満潮は月と太陽、地球の相対的な自転・公転による引力に起因した現象である。地球から見て新月から新月までは、太陽暦の一ヶ月に当たる。一遡望月は29日12時間44分28秒である。月は自転で約二週間毎に昼と夜がめぐり、昼は約150度の炎暑、夜は日没とともに冷えて零下150度の極寒となる。地球の引力によって月の運動が起こり、更に太陽や他の惑星の引力が月に作用して地球に向ける面にも揺れが生ずる。月の引力によって、地球上の太洋に潮の干満が生じて海水の運動を起こす。そのため、地球自体摩擦が生じ、地球の自転が遅れる効果が現われる。太陽・地球・月は、私たちの生と死に特に関係が深く、この三体の因果関係は総て莫大なエネルギーの循環である。地球上の生命は、この三体即ち神の意識が支配しているのである。

私たちも小宇宙である肉体の総てを自分の意識によって支配しているが、地球は地球としての意識即ち生命が月・太陽それぞれに関連し、更に太陽系内で関連し、銀河宇宙に通じ、大宇宙の根本にその波動は合致しているのである。


第4章 炭素の循環

炭素は、有機物の中核をなす元素であり、大気中には二酸化炭素の無機化合物として約0・03%容量が含まれている。この二酸化炭素は光合成の働きで植物体に吸収され、澱粉・蛋白質・脂肪などの有機化合物に変わる。その一部分は植物の呼吸に用いられ、その結果生じた二酸化炭素は、再び大気中に循環されていく。植物は、動物の食物として利用され、有機物は動物体の構成成分になる。動物の排出物や死体の有機物は微生物によって分解されて二酸化炭素になる。動物や植物その他の生物の一部は、地中に埋まって地熱や圧力によって石油・石炭になるが、これも、私たちの力で燃焼され大気に循環されていく。即ち自然の緩やかな酸化作用を受けて二酸化炭素となり、大気中に戻っていくのである。


第5章 物質

宇宙空間に体積を持ち、質量を持っているものを物質と言う。宇宙にある物質はそれぞれ特有な性質を持って、大自然の法則に従って、構成され循環している。鉱物・植物・動物の三体も物質よりなり、更に分子によって組織化され、分子は原子から造られている。植物・動物は有機物の合成によって、原子は細胞体を造って、細胞は分裂して成長を続けていき、特質な体を形成している。万物物質は、それぞれが一定の時間・空間の中で、目的に応じて一定のルールによって循環されていくのである。水も三体の相に循環される。この三体変化は、水の意思ではなく、熱の作用により、水は地中に入り、地球の熱を冷却し、地下水となってまた温水となり、あるものは清らかな清水となって小さな流れを作り、やがて谷間の流れに合流し、自然に逆わらず、多くの生物に慈悲を与え、いかなる障害も自らの力で乗り越え、ある時はダムに入って、電力のエネルギーの源となり、ある時は莫大なエネルギーと化し、自分の進路を自分の力で進み、平地に入った水も旅の疲れで濁り、大川となって、あらゆる処から集まってくる同志と共に一体となり、長い旅路を終えて大海に注ぐのは水である。私たちも人生航路の神理を水に学ぶべきものがある。物質は熱により、化合により物理的・化学的に変化するものであるが、総てエネルギーを含んでおり、素直に大自然に循環している。

第6章 原子

 原子は、科学的にこれ以上分割できない微粒子を言う。原子は原子核と電子から構成され、原子核はさらに陽子と中性子より成り立っている。原子は、太陽系の惑星と同様に、一定の軌道を描いて運動している。原子核に引き付けられて、その周囲を電子が、大変な速度で回っており、この電子を核外電子という。核外電子は、陰性の電荷を持ち、原子核の電子は陽性の電荷を持っている。原子全体は電気的に中和している。水素原子は核外電子陰性一個を持ち、同量の陽性電子を持つ微粒子が原子核となって中和している。水素以外の電子は、数個の陰外電子があり、核は、数個の陽子と中性子で、電気的に中和している。原子核の質量は陽子と中性子の質量の和に等しく、陽子と中性子の質量はほぼ等しくなっている。水素原子の核外電子の軌道は、太陽系と同じように一定の軌道を運動しているが、外部からのエネルギーが加えられると他の軌道上に移り、電子は一定の規則に従って、エネルギーを放出して再び元の軌道に戻ろうとする。原子の質量は、核外電子の数と一致するので、元素の原子番号と電子の数は一位する。元素の原子量及び化学的性質の大半は、核外電子の個数と配列によって決定される。真空の中より電子を生ずる過程の研究は、生命界も物質界も、その実在は一つであると科学者も結論を出す時が来る。万物の奥の真空、そして大宇宙万物の姿が大宇宙生命の本体であり、生命を自由に作り出すことのできるエネルギーの源である。


第7章 人体の構造と循環

(1)人体

太陽系は、極微の小宇宙原子核や電子と同じ法則に従って一定の軌道を循環している。私たちの身体も地球という大自然の環境において生存している。生命は意識であり、考えるエネルギーの源である。肉体の総ての細胞は小宇宙として小生命を持っているが、魂(生命の意思)によって支配されている。総て波動によって結ばれ、宇宙即ち自分自身(宇宙即我)であり、小宇宙生命体である私たちの生命意識の舟、五体を考えてみる。

大別すると、頭・同体・四肢の三部であり、頭部は耳・鼻・舌・眼・身の五官を持ち脳内の波動によって意識に伝わり総ての判断が下され、頭骨・椎骨・肋骨・四肢の骨を中軸として、多くの筋肉が付着し、その外側は、皮膚によって覆われている。皮膚は寒暖その他を感知し、身体の機能を保全している。内臓を見ると胸腔には左右に呼吸作用をする肺があり、酸素を吸入して、体内の炭酸ガスを排出して血液を浄化し、この血液は両者の左下方の心臓によって、体内の末端まで血液を送る循環ポンプの働きをしている。食道はこの中央を下って胃に通じている。食糧は口から食道を通過し胃に入り、酵素によって分解され、十二指腸・小腸・大腸を通じて肛門から対外に不要分が排出されている。横隔膜の左右には胃に接して肝臓があり、胆汁を分泌している。左には脾臓があり、膵臓は胃の後方にあって膵液を分泌している。脊髄の左右には腎臓があり、ここで血液から尿を取り出し、尿管によって、対外に排出している。大自然界の河川と法則は変わっていない。背後には脊髄があって、その上端は頭蓋骨となり、頭蓋腔を囲んでいる。この中に脳があり、脳の下方は脊髄で30余りの椎骨からなっている。臓器を細かく分割すると細胞に分けられ、心臓は心臓特有の細胞の集合体によって造られている。細胞小宇宙の集合体が私たちの人体を構成している。

(2)細胞

生物は総て細胞によって造られ、細胞は常に細胞核分裂によって生まれ循環している。人体の細胞は20ミクロン近くの直径を持って、他の生物より大きく厚みもあり、表面は細胞膜に覆われ、中には原形質という内容物と核からなっている。この核がなければ、細胞は生存して機能を営むことが出来ない。核が崩れると細胞は死んでしまうのである。神経細胞・皮膚細胞・筋肉細胞等は一定の場所に固定しており、血液中の血球等は固定せず、血管の中を流動している。細胞は、同一の働きをするもの同志が集まって、造ったものが組織であり、調和しあって活動をし、その組織に特有の機能を営ませている。これらの組織が集まって一定の働きをするものを、器官または臓器という。一つ以上の機能の異なる器官が、一定の組み合わせのもとに共同の働きをする場合、これを系統または系という。胃・腸・肝臓・膵臓等の消化器官が一緒になって消化系統とよばれる。神経系統や内臓や腺・血管等のように、自分の物理的作用によって自由にならない部分、即ち無関係で反応し、自動的に調整する神経を自律神経という。自律神経は生命に関する植物性機能に関する系統である所から植物性神経と言い、脳脊髄神経を動物性神経と言っている。動物性神経は、私たちの一念力のエネルギーによって植物性神経に作用することが多い。私たちの考える一念力の意識は自分自身の身体に強く影響し、五体を支配することは、自在である。私たちの意識は、自分自身の五体を支配し、物質界も支配することが出来るのである。筋肉と骨格が内臓を固定しており、71%が水分、29%が蛋白質、炭水化物、脂肪、カルシュームその他の化合物より成り立っている。

(3)血液の循環

血液は、体内の生きた細胞に対し、安定した生活環境を与えている。血液の循環は、体内の物質の輸送機関である。消火器より吸収した栄養素を体内の各諸器官や組織に送り、新陳代謝の原料や産物を体内の器官や細胞同志の間でやり取りする。体内の組織が排出する老廃物を腎臓まで運び出すのである。呼吸器を通して外気との間にやり取りされる呼吸が酸素を体内に送り、二酸化炭素を輸送する重要な機能になっている。また、各種のホルモン器官から血液中に放出され、体内の特定器官には働きかける化学的輸送もする。

循環系は、神経系と同様に体内の通信伝達の役割も果たしている。血液は対外から侵入した細菌や、ビールス等の病原体、異物に対して血清中に特殊な蛋白質である免疫体を造り出して毒素を中和・凝集・沈降・溶解等をして体内を防衛する重要な作用をする。体内の組織は、常に酸素が消費されて、含有量が低下しているので、血液中の酸素はモグロビンの結合から離れて細胞に供給される。血液の流れの原動力は心臓である。心臓は血液中の逆流止めの弁膜を備えた袋状の器官で周期的に収縮し、一分間に約70回繰り返す。心室から大動脈へと毎回60CC近くの血液を送り出し、各動脈に移動循環している。大動脈は動脈、更に小動脈へと分流を重ねて血液を体内の各器官や組織内毛細管へ循環されている。血圧は動脈内に保たれる水銀圧をいい、心臓の拍動と共に一定範囲、つまり壮年者で最高120、最低80位で年齢によって多少の差が出る。毛細血管から心臓に戻る血液の帰路は静脈系血管で、血圧は殆ど消失してしまう。血液も一つの波動で動いており、波長が合致しない時には体のいずれかに故障が生じている証拠である。

第8章 生命体の脳作用

人間の脳は大脳・間脳・中脳・小脳・延髄の五つから成り、これらの脳には神経単位が無数にある。大脳や小脳では細胞体が表層部に集まっている。これを皮質という。内部は髄質とか白質と呼ばれている。

大脳の皮質には約140億の細胞があり、各脳は部分ごとによって異なった働きをしているのである。皮質の部分が脳として、一番判断をする場所で、髄質の方は報告や命令の通り路の役をしている。大脳の前部は知覚中枢と呼ばれ、感覚器の報告を受ける所である。その前半部が運動中枢と呼ばれ、後半部が運動の指令を出す場所である。また、記憶することを分担する連合領の部分もある。感覚器から脳へ報告だ送られ、脳から筋肉に命令する報告や命令の通路役をするのが神経繊維と呼ばれるところである。この中を報告や命令が通るときは、一方通行で、一本の神経線が報告命令を併行させることは無い。この報告命令は、総て電気的な変化である。神経繊維は外側に「+」の電気を帯び、内側に「-」の電気を帯電している。感覚器に刺激を加えると帯電している「+」「-」に電気が中和して、零の状態が起こる。この状態は、興奮状態となる。一つの目的に対して努力する一念力は、眠っている感能力を呼び起こし、大自然の法則を捕らえて、発明発見と言う結果が生ずるのである。調和されない原因は物質経済が一つの抵抗となり、自己保存、自我我欲によって一時閉ざされているのであり、自己反省が足りないのである。

心の安らぎの波動は、正しい神理を得て神の光による保護を受ける。私たち小宇宙体の構成は、大宇宙体の恒星群と同じように何兆億という細胞体の集まりによって五体を形成し、諸器官によってエネルギーを吸収して肉体を生命は保存されている。病気の根元は80%以上正しい想念の光のエネルギーによって防ぐことが出来る。真の悟りの根源は頭で悟るのではなく、自分の意識即ち心で悟らなくてはならない。疑問は神理に近づく為の道程であり、疑問に対する回答の循環は神理に通ずる。私たちの意識の中には小宇宙の幽界(地獄・極楽)、霊界、神界、菩薩界、如来界、宇宙界の区分がある。

幽界には地獄・極楽があり、人の心は一秒一秒の中に意識界の姿が変わるのである。現象界の姿は自分自身が演出している活動写真(映画)である。現象界における私たちの意識は、殆どの人々は10%位しか意識が表面に出ていない。90%は潜在意識に秘められている。地球は大宇宙の細胞であり、太陽系も細胞体の集団である。太陽系は大神霊生命体本体の分霊であり、私たちの地球も分神によって治められている。私たちの来世は4次元以降の生命界に循環され、90%の表面意識と10%の潜在意識となるのである。悟れない生命は、自分自身の人生航路における意識を、寸分も間違いなく記憶された過去帳によって、自分の罪を償う為に、ある者は地獄界に、正しく生きた生命は極楽界で魂を磨くのである。太陽の熱光のエネルギーは、万物に平等である。神は人々を差別しない。真の正法は対立が無く自分自身の想念が自分の意識の中にある神界、菩薩界を悟り、大宇宙の根本の神・如来・菩薩の意識と調和した時こそ、自分自身の安らぎを感ずるのである。物質と生命の一体化こそ真の調和された社会が訪れてくる。私たちは目を開いて自らを反省し、人類の生まれて来た使命を悟らねばならない。