「聖徳太子の大予言」の要約


  1. はじめに

     飛鳥昭雄・山上智著「聖徳太子の大預言」の中には、恐ろしい未来の出来事が詳細に預言されている。聖書の中にハルマゲドンを含む多数の悲惨な未来が預言されているのは、その預言を通して、人々の心と眼を神に向けさせ、最終的には救いを得させる為である。預言の存在は、預言が語る時代の人々に何らかの利益になる情報を与えるためである。馬小屋で誕生したイエス・キリストを象徴する「厩戸皇子」の名で呼ばれた聖人が後世の私達を恐怖に陥れるために預言を残すわけが無い。預言者が預言書を残すということは、その預言書がいつ世に出ることになるのか、未然に知っているからである。

    「未来記」が世に出れば、「日本の仏教界は滅亡するか衰退する」と言われて来た為、現在に至るまで世に出なかった。しかし、皇室とゆかりの深い山上智氏の協力があり、飛鳥昭雄氏の霊的解釈により「未来記」及び「未然紀」が解明されたのである。特に飛鳥氏は、現代日本の実情を探り、預言の隠された意図と世界規模の預言を解き明かし最終的な形にした。

    「未来記」は当時の最高権力者レベルでないと見ることが出来なかった。明治政府が「未来記」の写本を見つけ出し、当時の国会図書館に納めたが、一般の閲覧は禁じられた。「未然紀」の方は江戸時代の延宝年間に天領だった上野の国の不動寺の住職を務めていた潮音によって「先代旧事本紀大成経」72巻本の第69巻として世に送り出された代物である。しかし、伊勢神宮を中心に大弾圧が起こり、犬公方と嫌われた5代将軍徳川綱吉が「未然紀」を含む「先代旧事本紀大成経」の全てを焚書してしまった。しかしながら、8代将軍徳川吉宗の時代に「未然紀」の究明作業をさせた為、「未然紀」の写し乾・坤2巻が国会図書館に封印されていたのである。「未然紀」と「未来記」は聖徳太子の預言書である。前者を「未然本紀」といい、後者を「日本国未来記」という。「未然紀」も「未来記」もまだ起きていない将来のことを指し、その時代を事前に書き記してあるため共に預言書となる。聖徳太子は神から未然に知るための導きを受けていたと「未然紀」の中に記述されている。「未然紀」と「未来記」は合わせ鏡となっており、二冊で一対になっている。つまり、聖徳太子は「両方合わせて未来を未然に知らしめよ」と言っているのである。

    「未然紀」は千年先までの未来を未然に預言した書物である。622年(推古天皇330年)に始まり、1000年間の国事に関する事件や出来事を未然に書き残した書物である。しかし、622年から1621年までの1000年だけの俗事を記した預言ではない。なぜなら、「未然紀」の中に「過去一千年の世の中を知り、未来に起こる一千年のことを知る」と記されているからである。つまり、「未然紀」に一千年分の預言しかなくても、その先の預言をも内在されている。「未然紀」と「未来記」を共に解き明かす者は、未来の出来事を深く未然に知ることが出来るということである。聖徳太子が二種の預言書を書き残した理由は、現代に生きる私達に重要なメッセージを伝えることにあった。だからこそ、それまでの時代では隠されたまま表に出てこなかったのである。驚くべきことに、それは日本だけの預言ではなく、世界規模の預言にもなっているのである。さらに驚くべきことに、旧約聖書の預言者イザヤですら両義預言(「指定時代の預言」と「未来の預言」の二段構造になっている)しか出来なかったのに、聖徳太子の預言は三義預言(「指定時代の預言」と「現代の預言」と「未来の世界預言」の三段構造になっている)を行っていたのである。聖徳太子の「未然紀」と「未来記」がそろって出た年(1998年1月)から、この世の終わりを示す最終カウントダウンが開始されたことを示している。

    「聖徳太子の大預言」のほとんどは「未然紀」中心の解き明かしである。その理由は「未来記」の方は霊的側面が強く、どうしても部分的な公開にならざるを得なかったからである。現代を表している第千四百歳(1922年~2021年)は同じ「壬戌~辛丑」で共通する第次百歳(722年~821年)第五百歳(1022年~1121年)第八百歳(1322年~1421年)の預言部分を見れば良いことになる。カッバーラでは第五百歳を中心に置き、第次百歳、第八百歳は従属するものとなる。

  2. 楠木正成と「太平記」の謎

     楠木正成は南北朝時代の武将で、河内の一地方豪族に過ぎなかったが、今では皇居の正門前に「大楠公」としての像が立てられている。これは、楠木正成が皇室にとって掛けがいの無い人物であることを象徴している。楠木正成は後醍醐天皇の命令を受け、挙兵し数百の軍で赤坂千早城に立てこもり、智略と巧みな戦術で大軍を率いた北条軍と対峙し、結果的に籠城作戦が功を奏して鎌倉幕府は崩壊する。

     後醍醐天皇は聖徳太子を心の師と慕い、自らも太子のごとくなるよう努力した天皇であり、聖帝とも言われた。後醍醐天皇は天皇親政による政治体制に戻そうと比叡山を起点として討伐軍を起こそうとしたが、捕らえられて隠岐へ島流しになった。正成の挙兵は後醍醐天皇が島流しになった頃で、護良親王と共に鎌倉幕府に反旗を翻したのである。足利尊氏や新田義貞らの武将も挙兵し、鎌倉幕府は倒れたが、足利尊氏が裏切り自ら幕府を開こうと画策した。そして、九州から20万もの大軍で押し寄せて来た時、正成は湊川の地で壮絶な最期を迎えた。楠木正成は武人でありながら皇室への忠誠心が厚く「建武の中興」の祖とされている。

     楠木正成が天王寺(後の四天王寺)で陣を敷いていた時、そこに保管されていた聖徳太子の「未来記」を読んだという伝説がある。正成が四天王寺で「未来記」を閲覧させてもらい、そこに記されていた預言を見て自らの天命を悟り、破竹の勢いで戦いに向かったとされている。楠木正成は秋之坊当大僧正から門外不出の秘蔵の「未来記」を閲覧させてもらった。それは聖徳太子が未然に物事を知る力があったことや、それを記した預言書が四天王寺にあることを知っていたからである。正成が見た「未来記」の内容は現代語訳で次のような文面だった。

    「第95代後醍醐天皇になり、国家が乱れて来た。この時、東の魚が来て、四つの海を呑む。太陽が西の空に沈んで370日余り。西の鳥が来て、東の魚を食べる。その後、海に帰るが3年後である。大きな猿のような者が、30年余り国家を奪ってしまう。その後、災い変じて元に戻ることになったという。」

    (預言の内容)

     東魚とは北条高時である。太陽が西の空に沈むとは、後醍醐天皇が隠岐に島流しにあうということである。370日とは1年と少しの意味である。やがて、西の勢力が盛り返し、最終的に鎌倉幕府を打ち倒すことになる。その3年後に犬顔で猿のような足利尊氏が天下を奪い取ることになる。30年余りで南北朝が併合統一されると解釈される。

     しかし、楠木正成が実際に見たのは「未来記」ではなく「未然紀」だったのである。四天王寺には「未来記」だけではなく「未然紀」も保管していたからである。四天王寺が正成に「未然紀」の方を見せた理由は、「未来記」には日本の仏教界を震撼させる衝撃的な内容の預言が記されていたからである。「未来記」を世に出せば、四天王寺を含めた仏教界の多くが衰退しかねない内容となっていたからであり、世に出せなかったのである。法隆寺にも二種の聖徳太子の預言書が保管されていると推測できる。しかし、封印したまま隠し通してきた。それが世に出る時が、仏教が衰退する末法時代の始まりとなるからである。

     楠木正成が自分の姓名が書かれていた箇所は「未然紀」第八百歳第139章に出ている。

    (現代語訳)

     光が北方に沈むのに一年かかり、南の木に封じ込められるのに60日かかる。

    (歴史的事実(過去))

     後醍醐天皇が権威を奪われ、隠岐島に島流しにされる。正成は翌年の正月から60日間、鎌倉幕府の大軍から、わずかの手勢で守り抜き、3月の鎌倉幕府滅亡のきっかけをつくった。楠を南の木と漢字分解で表している。これにより正成は自分のことだと判断したのである。「太平記」の作者は誰かということであるが、南朝の後醍醐天皇寄りに書かれた歴史書であることから、南朝側に関わる誰かであり、楠木正成もそれに深く関与していたと推察される。正成の時代は「未然紀」でいう第八百歳(1322年~1421年)に当たり、現代に当たる第千四百歳(1922年~2021年)と全く同じ時代に位置している。このことから楠木正成の預言箇所が、どのように1922年から現代までの日本と呼応するか検討する。


3、「未然紀」第八百歳預言が語る20世紀の日本と未来

 現代の第千四百歳(1922年~2021年)は楠木正成の時代に該当する。それゆえ、第五百歳(1022年~1121年)が現代の中核となり、それと同じほど重要な百年紀が楠木正成の時代の第八百歳(1322年~1421年)と成る。足利尊氏は、かねてから心に邪心を抱いていた。油断していた天皇を裏切り、数と力の論理で背後から国を盗み取った。

(「未然紀」第八百歳第137章の現代語訳)

 先祖の起こした天の災いが積もり積もって子孫が逆に家を滅ぼすことになる。

①歴史的事実(20世紀の日本) 昭和に入るや、いつの間にか主従関係を逆転させ、自らの方針を天皇の名で正当化させる術を軍国主義者は完全に見につける。軍国主義は天皇を尊敬し崇拝するが、自分たちの侵略戦争を正当化させるための便利な錦の御旗に過ぎない。天皇を飾り物の存在に落としていたことになる。当時の軍国主義者の正体は、天皇にとって逆賊でしかなく、日本の進むべき道を誤らせ、多くの若者を犬死させた張本人である。軍国主義者が明治・大正・昭和の時代と共に軍事力を肥大化させ、忠誠を誓いながらも、その実態は天皇を自分たちの支配欲のために利用する逆賊と化していた。結果的に天皇の終戦判断と玉音放送により、賊軍部が支配した狂気の時代は日本が鎖国を解いた後、3代の時代をもって消え去ったのである。

②歴史的未来 アメリカの政府高官たちが、世界政府樹立を匂わせる発言を行っている。アメリカは21世紀に世界に対する権限が大幅に強化された新たな超国際機関の設立を意図している。やがて、世界はアメリカの言う通りにしなければならない状況になる。初代が「国際連盟」2代目が「国際連合」であり、3代目はアメリカが意図している「世界政府」となるだろう。現在の国際連合はソ連崩壊後、アメリカ主導で動くだけの飾り物と化している。アメリカ軍の目的は強力なアメリカ軍による世界支配であり、アメリカ軍が世界政府軍に格上げされた時点で世界政府に参加する外国の軍隊は全て、アメリカ軍の軍門に下る。この時点でアメリカ軍の世界征服が完成する。日本軍国主義が天皇を踏み台にして日本を奪ったように、アメリカは国連を踏み台にして世界を略奪する意図を持っている。アメリカ主導の下で軍事力を最優先にした現代の国連を天の道を踏み外した2代目の賊であると聖徳太子は指摘している。世界政府が樹立した際、その体質に我慢できない軍事大国との間で幾つかの大きな争いが起こる。(「未然紀」第八百歳第138章の現代語訳) 青い魚が躍り出て、四つの海を呑み込む。赤い鳥が捕らわれて六つの波に沈む。

①歴史的事実(20世紀の日本) 青は東を象徴する色であり、青魚は東の海にある国を意味し、極東の海に浮かぶ日本を指す。当時の日本軍部は軍事的勢力を拡大するため四方に向けて侵略戦争に打って出ていた。南方の国々にとってみれば、日本軍国主義の侵略は6回の波浪であり、招かざる巨大な津波だった。しかし、軍国主義が威張れた時代は六つの攻略作戦までだった。それ以後は、一挙に自己崩壊へと向かう。1942年6月の「ミッドウエイ海戦」や1944年3月の「インパール作戦」での大敗北は、それを物語っている。天皇の終戦決断が無ければ、日本軍国主義は国民を根こそぎ地獄の道連れにするつもりだった。当時の軍国主義は天の賊すなわち神の逆賊だった。極東に生まれた武力中心の魚は四方の海へと飛び出し南方の国々を六大侵略作戦で制覇していった。

②歴史的未来(その1) ロシアは西から無血侵略の大波の中で、確実に北の果てに封じ込められつつあり、国際舞台の上で孤立感を深めている。ロシアはEU諸国から真綿で首を徐々に絞められるような気持ちを味あわされている。エストニア・ラトビア・リトアニアのバトル三国が一挙に西側に吸収され、ウクライナまでNATO拡大の大波に呑み込まれるとあれば、ロシアは黙って東侵を見逃すわけが無い。現在のロシアの軍部では領土膨張主義と帝国主義の大波が民族主義の復活と共によみがえりつつある。

③歴史的未来(その2) ロシアは外交的に有利な南にあるアラブ油田地帯を支配することを画策する。イスラム諸国への外交的接近でEUと対抗する。世界規模の預言での六波羅とは東の大国ロシアが南のアラブ諸国と関係を深く持つことを表している。EUも高圧的なアメリカをヨーロッパから追い出し、中東からもアメリカの勢力を追い出そうと画策している最中である。ロシアはEUがアメリカを追い出せば、その後の油揚げをEUからさらうつもりでいる。東の大国ロシアが再び帝国主義を復活させ領土拡張を企てるが、その前哨戦として南のイスラム諸国との関係改善に乗り出し、それに成功することになる。これは、ロシアがEUを差し置いてアラブを支配することも意味している。(「未然紀」第八百歳第139章の現代語訳) 光が北方に沈むのに一年かかり、南の木に封じ込められるのに60日かかる。

①歴史的事実(20世紀の日本) 1931年9月、軍部は関東軍に命じ、満州を侵略するための口実として、わざと南満州鉄道を破壊し、それをきっかけに満州事変を勃発させた。1932年3月には日本の傀儡「満州国」をつくり、1932年9月に「満州議定書」を取り交わし、独立を承認した。中国の清国から宣統帝溥儀を執政に迎え、ラストエンペラーを誕生させた。その侵略戦争に要した年数はちょうど1年ほどだった。南方侵略は1941年12月の真珠湾攻撃と共に決行され、マレー半島上陸後2ヶ月でシンガポールのイギリス軍を屈服させている。日本の大東亜共栄圏への預言は歴史上の事実として20世紀の日本を覆う暗雲として現実化したのである。

②歴史的未来(その1) フランスのアメリカ嫌いはピークに達しつつある。イギリスを除く多くのヨーロッパ人はEUがアメリカの支配下にある現実を思い知らされた。アメリカは第二次世界大戦以後、ずっとヨーロッパに居座り続け、核攻撃の決定権もヨーロッパに渡していない。ロシアは超大国としての威信低下を思い知らされ、惨めな屈辱感を強めており、アメリカ主導による強行的な決議に対しても怒りを募らせている。ロシアはNATOの東方拡大を認めはしたが、昔の帝国主義を復活させ、それを過ぎると一挙に出てくる可能性が高い。ロシアから見た南にあるイスラム諸国で全イスラムを決起させる大宗教戦争が勃発し、それが60日にもわたって続くことになる。これが第三次世界大戦である。

③歴史的未来(その2) イスラム教への最大の侮辱が行われた時、間違いなく宗教戦争となる。ロシアはイスラム諸国を先導し、EUを打ち倒すよう画策してくる。この時、アメリカは中東にいない。アメリカは何らかの理由で中東やヨーロッパから追い出されていなければならない。よって最初に戦争を止めるために中東に派遣される多国籍軍はフランス主導のNATO軍であろう。しかし、反撃され敗北を喫することになる。

④歴史的未来(その3) 帝国日本軍が敗戦処理のビジョンを一切持たずに太平洋戦争に突入したことは世界最大の非常識になっている。愚かな軍国主義者たちは終戦のタイミングを遅らせ、二つの原子爆弾を落とされる結果を招く。(これについては、全てアメリカのシナリオ通りだったとする見解もある。つまり、日本軍国主義はアメリカのシナリオ通りに動かされていたというのである。)ソ連が参戦して初めて軍部は自分たちの愚かさを思い知ることになった。今の日本の政府も新しい日米ガイドラインを危機管理の本命に据えたいらしいが、その前に来る最大の危機に関する見通しが全く出来ていないのである。(「未然紀」第八百歳第140章の現代語訳) 山に住む鷲を落とし、野鳥を早く走らせる。野鳥は飛んで落ち東の魚を呑み込む。

①歴史的事実(20世紀の日本) 鷲をシンボルとして象徴化した国はアメリカであり、実際にアメリカの国鳥は鷲である。鳥の王者であるアメリカが連合軍を率い、極東の帝国が侵略した領土を奪い返したことは歴史的事実である。マッカーサーはアメリカの元帥だけでなく、連合軍の最高司令官でもあった。極東の魚(日本)は鷲と連合する野鳥の群れに呑み込まれてしまった。鷲が集める他の野鳥が二羽と書いてあるのはアメリカのルーズベルト大統領がイギリスのチャーチル首相とソ連のスターリンとの会談したことも同時に示唆している。

②歴史的未来(その1) アメリカは第三次世界大戦の鎮圧とEUとアラブ崩壊を盾に核戦争による絶滅を防止するためにも、早急なる世界政府の設立を国連に呼びかける。ロシアと中国は断固反対するがアメリカの英雄的人気と軍事力の前に結局は引き下がらざるを得なくなる。ロシアは再び大戦争で領土を拡張するために本格的にシベリアからヨーロッパに向けて侵攻する。この大戦争は第四次世界大戦であり、ヨーロッパは二度の大戦により完全に破壊し尽くされ、二度と立ち上がることが出来なくなってしまう。ロシアは本格的な電撃攻撃作戦で一挙にヨーロッパを制覇してしまうが、アメリカはロシアに対し連合軍を率いて一戦を挑んでくる。巨大な白頭鷲が、東の帝国の仕掛けた大戦争に乗り出すという預言がなされている。鷲であるアメリカが野鳥の大連合を率いて東魚のロシアを攻撃する。

③歴史的未来(その2) 世界がアメリカの唱える世界政府を受け入れたら一挙にアメリカ軍産複合体による恐怖支配時代を迎えることになる。軍産複合体とは死の商人である。宗教対立や地域紛争の最前戦で犠牲を強いられるのは日本を含むアメリカ以外の国々や兵士、アメリカ国内の貧民層の兵士となる。(「未然紀」第八百歳第146章の現代語訳)君主に対して忠実なる者が殺され、口先だけの悪党は自分で刀を振り回す。

①歴史的事実(20世紀の日本) 逆賊だった日本軍国主義は多くの若い知識層の命を根絶やしにする行為となった。神風特攻作戦も日本軍国主義が編み出した史上最低の劣悪作戦だった。日本軍国主義は日本の賊であると共に人間そのものへの逆賊だった。三代の時代をかけて育った軍国主義に、いつの間にか政治まで奪われ裏切られた姿を露呈させた後、花火のように四散し消滅した。歴史的事実(その他) アメリカもアイゼンハワー大統領が構築した軍産複合体の圧力を無視できず、J・F・ケネディの時代に一度撤退すると決定したベトナム戦争に再び大きく介入させられ、多くの純粋な若者の命が奪われてしまう。一人笑いの止まらなかったのは巨万の利益を上げた軍産複合体であり、軍隊と軍事企業がドッキングしたアメリカの体質は戦争をし続ける危険を持っているのである。逆賊というのは、必ず強力な軍事力という刀を懐に忍ばせ、多くの純粋な人々を利用し戦争に巻き込んでいく。

②歴史的未来(その1) 第三次世界大戦が勃発した時、強大な軍事力でイスラム連合軍を制圧し、ロシアを退かせたアメリカ軍は世界から絶賛される。そのため、大戦争を終わらせた英雄的行為でアメリカに対する賛辞は世界中に満ち溢れる。世界を平和にするための最良の手段として世界政府をアピールしてくる。その邪魔者はフランスであり、アメリカ軍を中東から追い出し石油利権を確立する政策を推し進めてきた元凶である。それにイスラエル寄りに外交を行うアメリカを中東から追い出したいアラブを中核とするイスラム諸国である。NATO軍の東方拡大でロシアは必ず民族の誇りと超大国の威信をかけた行動を起こす。ロシアのイスラム諸国への接近であり、結果的に領土拡張の目的で必ずヨーロッパ本土を戦争に巻き込む道をとる。

③歴史的未来(その2) アメリカはイスラムに対し、全てのイスラム教徒を激怒させる蛮行に出る。全イスラムが一挙に大戦争を決意するほどの衝撃的な大事件になる。それか、エルサレムにある岩のドームの強制撤去とソロモン第三神殿の建設により、全イスラム諸国は第三次世界大戦へと突入するだろう。ロシアにある勢力が現れ、それが巨大化してロシアを略奪してしまう。一方、アメリカからも別の勢力が現れ、世界政府の総統となるや、世界を略奪してしまう。世界は新たな支配構造の中で再び二極化の時代を迎え、世界を最終戦争へと突き進ませることになる。(「未然紀」第八百歳第147章の現代語訳) 天下は南と北に分かれて、戦となって北の天皇が即位するが、天皇はそれより目下の者の命令の下にあった。

①歴史的事実(20世紀の日本) 戦後の日本はアメリカがもたらした民主主義を謳歌するようになった。戦後の日本政治を奪い合ったのは自民党と社会党の両勢力だった。両政党の対峙した二極対立の時代は長く、40年余りも続いた。しかし、自民党は汚職と永田町理論に終始した為、選挙戦で惨敗し下野する。その劣勢を挽回するため社会党党首に総理大臣の椅子を与えるという奇策を弄する。社会党は国民から見て政敵と手を組んだイメージが定着した為、急速に支持者を失い、現在は民社党となった。南北朝時代を支配したのが、やはり「数と力の論理」だった。数と力の論理で勝てば何をしても良いという風潮が広がり戦国時代へと突き進むことになる。アメリカは日本人を支配するには支配政党の政治家を抱き込めば事が足りることを知っている。

②歴史的未来(その1) 世界は再び米ロの二極対立構造を作り上げる。ロシアは一度アメリカの世界政府に敗北を喫するが、そのままヨーロッパを支配するらしいのである。やがて、北に現れる何らかの一大勢力が南を脅かすほどの力を持ったことを暗示している。北の勢力を率いて南の王と戦い、最後は人類を最終戦争に巻き込む。片方の覇者はマゴグのゴグである。ヨーロッパ全域がマゴグのゴグによって征服されていることを意味している。

③歴史的未来(その2) イスラエルを中心に見た方角で言うと、北はマゴグを含むロシア全土を表し、南はイスラエル南部にあるエルサレムを示す。南の王とはイスラエルではなく、アメリカ主導の世界政府を暗示している。「ダニエル書」によると北のゴグはやがて南の王と戦えるほどの勢力を持ち、戦争を引き起こす。北の王とはマゴグ生まれのゴグのことだが、南の王はアメリカを暗示する世界総統となる。ここで明確に世界を支配する獣がエルサレムの神殿に入ることが示されており、南の王が世界政府の総統であることが明らかとなる。イスラエルは、やがてエルサレムの「嘆きの壁」の上に神殿を再建する。「嘆きの壁」の上にはマホメットが昇天した岩を記念する「岩のドーム」が建っている。イスラム教の聖地を破壊せねばイスラエルは絶対にソロモン第三神殿を建設できない。エルサレムにソロモン第三神殿が建つとイスラム諸国が一斉に宗教戦争に打って出ることになる。


4、「未然紀」第五百歳預言が語る過去と20世紀の日本と未来


 第五百歳(1022年~1121年)は第千四百歳(1922年~2021年)の中心に来る預言であり非常に重要である。


(「未然紀」第五百歳第78章の現代語訳)


 勇ましい武勇が遠ざけられ、書物や言葉だけの文化が花開く。そして、次に心を和らげる音楽が廃止され、戦いが起こる。人間が利己的にとった行為の為に発生する事件や事故などは人災であり正しい行いではない。


①歴史的事実(過去)

 聖徳太子の時代から600年後の預言である。後三条天皇は合理主義一辺倒に傾き、文化面を全く軽視した強圧的な天皇だった。朝廷が文化を軽視し、荘園における大礼や雅楽などを廃止したことが、保元の乱の原因の一つに成ってくる。この預言は源平武士集団の台頭、後三条天皇の出現、荘園整理の強行、保元の乱の勃発という図式で全て的中している。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 軍国主義化の大波は、人々の心のゆとりをなくさせ、自粛の名目で祭りは禁止、オーケストラも禁止、上演を許された芝居や映画でさえ軍部の検閲で軍国色一辺倒になり、漫画や宝塚歌劇もそのあおりを食らった。後三条天皇の時代は昭和天皇の時代と酷似するようである。後の世には今行われている政策が布石となり、日本が大戦争に巻き込まれる危険性が出てくる。アメリカ式合理主義の限界を警告しており、合理主義が行き着いた先に待つ非人間的な出来事を教えている。

③歴史的未来

 世界に君臨する独裁者の出現を預言した部分である。その男は必ず2021年までに世界に登場してくる。世界を支配する独裁者の地位に就くためには、世界最大の超大国アメリカから出てこなくてはらない。アメリカは世界政府の設立を標榜し、それを最大の軍事力を行使できる超国際機構にする意図を持っているからである。世界政府が設立されてしまうと結果としての世界総統の地位に就く男が必ず登場してくると聖徳太子は預言している。聖書でいう獣がここから出てくることは間違いない。その獣は、初めは世界を滅亡の危機から救った救世主として現れ、人々から歓呼の声で迎えられる軍人というのが預言の示すところである。しかし、この男は絶対権力を手中にするや、わずかの間で変貌し、一挙に史上最大の独裁者として世界中に君臨することになる。アメリカが画策する世界政府の設立が必要に思えても日本だけは絶対に従ってはならない。

(「未然紀」第五百歳第79章の現代語訳)

 大きな弓が高い所を射る。矛を縛って大きな弓を撃つ。


①歴史的事実(過去)

 1028年に平忠常が下総で反乱を起こし、天皇の命令に背いて賊となる事件が起きる。政府は平直方や中原成道を追討軍として向かわせたが一向に成果が上がらない。そこで武将の源頼信を向かわせ、やっと平忠常を倒すことに成功する。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 昭和で最初に起きた日本軍部による内乱は5・15事件である。一部の陸軍将校たちが軍事クーデターを起こした。日本軍国主義の毒牙は当時の犬養毅首相を暗殺し、一挙に政党内閣の時代を終焉させる結果を招く。犬養内閣後に出来た政党は軍部出身者が多数を占める内閣となり、敗戦間際の東条英機内閣まで連綿と続くことになる。日本軍部は天皇を守護する立場を悪用して、天皇を自分たちの側に取り込んでいった。

歴史的未来(その1)

 聖徳太子が三日月を暗示する場合、世界規模で見ればイスラム諸国を表すことになる。イスラム諸国が激怒の極に達するほどの事をイスラエルが平然とやってのける危険性は高い。考えられることは、岩のドームの強制撤去とソロモン第三神殿の建設か占領区での核実験である。束の名を持つ連合軍(つまりアメリカ主導による多国籍軍)が、イスラム連合軍を一挙に鎮圧してしまうシナリオとなる。

④歴史的未来(その2)

 最初に戦争の鎮圧のために派兵される多国籍軍はアメリカを除いたNATO軍である。その時、アメリカ軍はヨーロッパと中東から撤退しているからである。湾岸戦争を終わらせた後も中東に居座り続け、イスラエル寄り外交を改めないアメリカの人気はイスラム諸国では地に堕ちている。アメリカは必ずEUと中東から撤退せざるを得なくなる。警察官がいなくなった地域が無法地帯と化すのは当然の成り行きである。イスラム連合軍はイスラエル攻略に邪魔なEUを叩き潰すためNATO軍の虚を衝き、一挙にヨーロッパに向けて侵攻する。バチカン帝国は大きなターゲットの一つになる。侵攻から二ヶ月余りがたち、ようやくアメリカは世界への正義感に目覚めたポーズをとり、立ち上がる。一挙にイスラム連合軍を殲滅してしまう。イスラム連合軍の背後にはロシアの影がある。ロシアは途中でイスラム連合軍を見捨てることになる。

(「未然紀」第五百歳第80章の現代語訳)

 夷敵は妻を犯して、羊は猪を制圧する。武力によって夷を従わせ武士は天子の尊厳を不思議に思う。


①歴史的事実(過去)

 1056年蝦夷地だった奥州の衣川で安倍頼時が反乱を起こし、武士や庶民の妻や娘を連れ去る有様になった。その時、天皇は判官だった源頼義を陸奥守府将軍として召し、奥州に向かわせたところ安倍頼時は降参してしまった。父の源頼信が平忠常を討伐し、子の頼義が安倍頼時を討つ巡り合わせになり、親子共々「夷将軍」といわれた。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 二度目の内乱は2・26事件である。これも一部の青年将校たちが起こした軍事クーデターである。5・15事件と2・26事件は平安京の時代に勃発した「二つの内乱」とシンクロしており、それを鎮圧したのも武力集団であった。その後、日本の政治は完全に軍国主義一色に塗りつぶされてしまう。

③歴史的未来

 どの国が第四次世界大戦を起こすのかといえば、蝦夷と書いてある以上、東から北の範囲にある国でありロシア以外に無い。ロシアは大軍を率いて本格的にシベリアから出てくる。再び夷であるイスラム諸国を引き連れてくるが、ロシアが主導権を握っている。アメリカの唱える世界政府樹立の動きと一斉に向かい始める。ロシアがヨーロッパ全土を制覇する寸前、アメリカは全軍を率いてロシアと対決する。ヨーロッパだけを戦場にする限定核戦争になり、超プラズマ兵器を多用することになる。第四次世界大戦もアメリカが強力な軍事力で制圧してしまう。その結果、アメリカが主張する世界政府を全面的に受け入れるようになる。ロシアから新たに支配者が誕生し、再び形勢を立て直してくることになる。

(「未然紀」第五百歳第84章の現代語訳)

 陽気の光は明日には三日月程度現れる。陰気は少し傾くであろう。


①歴史的事実(過去)

 後三条天皇と白河天皇の時代は天皇の威厳が少しだが、増して太陽ほどではないが三日月程度になった時代だった。後三条天皇の時代に多くの禁止事項が増やされている。白河天皇も皇威を保持し皇権を増し加えた天皇とされ、宮廷の風習を変えた天皇としても記録されている。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 昭和天皇の時代の前半も、軍部が多くの禁止令を発令し、庶民文化が奪われた。戦後人間宣言により多くの国民に親しまれる天皇として皇室人気を支え、全国巡幸を率先して行い人々を励ました。マッカーサー元帥との会談では臣下の罪を自分が背負うという意向を伝えたことが「マッカーサー日誌」で明らかになった。平成時代の今上天皇は皇太子時代から皇室の変革に携わることが多い天皇である。民間人から妃を選び、乳母製を廃止して妃に子供たちを母乳で育てさせるなど開かれた皇室を作った天皇である。皇室の持つ品位の高さは白人系のイギリス王室とは別種のように思われる。昭和と平成の両天皇は皇室の威厳を高めている。

③歴史的未来(その1)

 第三次世界大戦と第四次世界大戦が勃発したことで、世界は最大の軍事力を持つ世界機構の実現を本気で求めはじめ、アメリカが唱える世界政府の設立に同意する。中国はロシアが力を失った以上、無理に反対することはせず、時が来るのを辛抱強く待つことになる。二つの世界大戦により史上最大の軍事力を持つ「世界政府」は設立に向けて動き出す。

④歴史的未来(その2)

EUとイスラム諸国を戦わせる張本人はアメリカである。将来、アメリカに対抗する危険性があるEUと世界の石油資源を独占するイスラム諸国を叩き潰しておく計略を練っている可能性がある。ロシアが再び帝国主義化すれば必ず利権がらみで中東諸国と手を組み、EUに対抗するようになる。ロシアを国際舞台から追い出し、超大国でなく物乞いだという印象を世界に与え屈辱感と共に北方の果てに追い込んだのはアメリカなのだ。ロシアに対し真綿で首を絞める効果を狙ったアメリカの本心は、ロシアを刺激し再帝国主義化を図っている。つまり、ロシアが再び帝国主義化すれば、イスラム諸国と手を結ぶことになり結果的にNATO拡大に全面的に対立するため、EUに向かって襲いかかることになると踏んでいたのである。しかし、その頃、アメリカはEUからわざと追い出されており、中東からも追い出されている。聖徳太子がアメリカを逆賊と呼んだ。逆賊とは足利尊氏のように悪知恵を働かせ、武力で世の中を略奪する者をいう。

(「未然紀」第五百歳第88章の現代語訳)

 人々は家畜を増やし、天皇の力は、かすかに衰える。夷人は倉を造り、都の衰退が芽生え始めた。


①歴史的事実(過去)

 1118年、平忠盛の子が生まれ将来の清盛となる。清盛は武士の威厳が高まれば天皇の威厳が衰える事を知るようになり、天皇家をはるかにしのぐほどの絶大なる権力を持つようになる。世の中は確実に武力を持つ武士集団が自分を召した主人を押さえ込み国を奪う時代へと変貌していった。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 軍国主義は日露戦争で勝利をつかむと韓国併合、シベリア出兵、上海事変と侵略戦争に乗り出した。軍国主義は確実に国政を奪い、国民の気づかぬ間に母屋を乗っ取る策略を企てる。つまり、天皇を軍国主義の側に引き込むことだった。聖徳太子の預言は20世紀の日本を通して軍部の台頭という形で実現する。

③歴史的未来

 世界を支配する独裁者(獣)の出現を預言したものである。その男はアメリカが作る世界政府の胎内から生まれ出る。世界は、その男を英雄として絶賛し、世界の救世主として迎え入れる。そして、その男はアメリカ主導で設立した世界政府の総統の地位に就くことになる。この男はヒトラーも影が薄くなるほどの独裁者に変貌し、世界を殺戮と恐怖で支配する逆賊と化す。この男は自らを神と名乗り、全ての宗教書を焚書させ、全世界中に対し自分への絶対礼賛を強要する。世界は一挙に大動乱の時代を迎え、ハルマゲドンへと突入していく。よって、アメリカが主張する世界政府設立への賛同は絶対にしてはならない。聖徳太子は特に日本人に警告するため預言書として書き残し未然に防ぐために大世紀末に登場させたと思われる。

(「未然紀」第五百歳第89章の現代語訳)

 天は何故、災難を起こすのか?天は悪いことに対して災難を起こすのではないのか?人を治める君主は、その地位を自慢し、自分勝手に政治を行い、その部下は地位におぼれ自分たちに都合の良い法律を作る。このような事柄は天の道に外れる行為であり、このような事は神に対して恥ずかしい行為である。


①歴史的事実(過去)

 白河法皇の院政期間は堀河、鳥羽、崇徳天皇まで続き、国政の実権を握ったまま離さなかった。後三条天皇より以前は、天皇より摂関の方が力があり政治を意のままにしたのである。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 日本軍部こそが天皇の裏で20世紀の日本の実権を握り続けた張本人である。

③歴史的未来

 宗教と政治の祭政一致が行われた時代は、間違いなく最後は恐怖政治になっている。21世紀になると世界のほとんどの宗教を統一する者が現れてくる。宗教的支配者が2021年までに現れる。バチカンが世界統一宗教を画策していることだけは事実として伝えておかねばならない。史上最大の権力を握る支配者が独裁者として君臨し、自らを神として宣言した時以外には考えられない。世界政府の支配者という顔に統一宗教の現人神として君臨する顔が追加され、誰もなしえなかった祭政一致の独裁社会が誕生する。聖書によれば、世界を滅ぼす元凶は世界を支配する獣とそれを補佐する偽預言者と彼らの上に立つ龍(サタン)の三匹だとされる。その汚れた三匹を獣の数字666として象徴しているのである。

(「未然紀」第五百歳第91章の現代語訳)

 国を治める人も、一般の人々も、自然界の摂理は同等である。世の中を良い方向に変える努力をしなければならない。その自然界の摂理を守っていれば、天は災難を起こさず、神も見捨てる事はしない。自分たちで自然界の摂理を曲げる事は皇室の衰えの兆しであり、世の中の衰退の始めである。


①歴史的事実(過去)

 白河法皇が始めた院政は鳥羽天皇、後白河天皇も真似るようになり、本来の皇威と皇権を天道から外す結果を招いてしまった。そのため保元の乱、平治の乱が起こり、源平の武士階級に国政を奪われることになる。道を外れる者は自ら天運を放棄し、災いの種を四方に撒き散らしていく。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 院政を行った天皇も白河、鳥羽、後白河の三代であり、明治、大正、昭和時代の三代の御代と符合する。その期間に軍国主義を膨張させていった。その結果、引き起こされたのが二つの大戦争(第一次世界大戦、第二次世界大戦)である。当時の日本の構造は軍国主義者の力を借りなければ体制を維持できなかった。

③歴史的未来(その1)

 世界中の人間が神を求めず、神の代わりに世界総統を頼り、その男を今の地位に置いておくなら、天自らが世界中を未曾有の天変地異で滅ぼし去ろうとする。太子の預言を見る限り、天の道即ち本当の神を求めよと勧めている。

④歴史的未来(その2)

 天空と大地に何らかの異変が起きはじめるようである。世界中が衰退する予兆が表れることが暗示されている。大地震、火山噴火、日照、凶作、洪水、飢饉、疫病、異常気象などが連続して発生する。だからこそ、アメリカが画策する世界政府を樹立させた場合、人類は最終的には行き着くところまで行くことになる。アメリカ一辺倒の政治家たちは日本のみならず、世界に対しても後で大変な責任を負うことになる。「未来記」は確実に起こる事を中心に記されており、「未然紀」は人の智恵と努力で防ぐことを目的に記されている。それゆえ、日本は断固反対すべきである。

5、「未然紀」第次百歳預言が語る過去と20世紀の日本と未来

 第次百歳(722年~821年)は奈良時代から平安時代にかけた頃にあたる。この後、平安京への遷都が行われた時期でもあり、行基という僧侶が日本地図を作成し、橋や道路を造り、人々に奉仕していたが、多くの僧侶は大寺院にこもり、出世することだけを目的に修行していた時代だった。日本の地下は世界でも高価な鉱物を大量に産出できる地質構造にあることが分かってきた。日本にはアラブにおける石油のように大量に産出できる鉱物があるという。その鉱物は黄金だというのである。

(「未然紀」第次百歳第31章の現代語訳)

 彩色の為に国中に金を求め、川から取れる砂金ではなく、初めて掘削して黄金を採った。


歴史的事実(過去)

 奈良の大仏を建てる際に起きた出来事として成就している。大衆に人気の高い行基を登用し大仏を建てるのに多くの人民を協力させている。749年2月、陸奥国の小田郡において膨大な量の砂金が見つかった。その直後には、大規模な金鉱脈も発見された為、大仏像のため黄金は無事朝廷に献上された。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 大仏を造ることは巨大な国家プロジェクトだったが、現代では遷都に該当する。日本の首都機能が移転するためにかかる費用は7兆5千億円、下手すれば12兆3千億円という膨大な額にのぼる。現代の日本に大金鉱脈が発見された場合、東京遷都は「未然紀」第千四百歳が終わる2021年までに実行に移されるかもしれない。恐山のふもとで世界トップクラスの高純度を誇る大金鉱床が発見された。日本の地下には今日、未発見の金鉱床や金鉱脈が眠っている。

③歴史的未来

 世界総統が現人神であることを世界に宣言し、世界中に自分のきらびやかな像を置き、拝ませる際に起きる出来事を表している。世界総統は間違いなく世界中の財宝を自分の下に集めさせる。食料を含む生存に欠かせない生活物資も全てが世界総統の管理システムに委ねられる。日本などで大金鉱脈が発見されるが、世界の経済機構の独占が世界総統にとっての大金鉱脈である。世界の富はアメリカだけに集中する。

(「未然紀」第次百歳第32章の現代語訳)

 この時から金脈が多く採れた。その後、国の財政が豊かになった。


①歴史的事実(過去)

 大仏の開眼供養の後も、宮城県からは黄金が掘り出されていった。その結果、世の中に金銀が満ち溢れ、国の財政は大いに潤い安泰になった。朝廷を後ろから支えた秦氏の大資源は全て、これらの中部地方や東北中部の大金山から採掘した黄金だった。秦河勝は聖徳太子のブレインであり、天皇家とも非常に縁が深い間柄であった。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 日本は世界でも稀なプレートの上に乗っている島国である。日本の至るところに活火山があり、温泉が噴出している。これは黄金を生み出す環境としては最高なのである。経済が冷え切った日本に何か大きな打撃が襲ったとしても黄金により立ち直って巨大な経済機能を復活させる原動力となるかもしれない。

③歴史的未来

 日本の黄金は世界総統への貢物として強制的に奪い尽されてしまう。自らを神とした世界総統は自分の世界宗教に酔いしれ、全世界に自分を祀るきらびやかな教会を造り始める。聖徳太子は国政を忘れ、全国に国分寺を造り仏像や菩薩像を無数に造り続けた聖武天皇とシンクロさせている。世界政府はアメリカが造るアメリカのための超国際機関である。他国が世界政府の恩恵を受けるためには自国をアメリカ化するしか方法がなくなる。このシステムにより、世界のアメリカ化が推進されアメリカは労せずして世界を征服できる。世界総統が自分を現人神にする場所はイスラエルのエルサレムとなる。世界政府の首都はエルサレムに移される。現人神としてエルサレムの第三ソロモン神殿に座り、恐ろしい命令を世界に向け発令する。これに対応するのが平安京遷都である。794年11月に平安京遷都は桓武天皇によって行われた。

(「未然紀」第次百歳第34章の現代語訳)

 真の僧とは、布教することではなく、国々を廻り、道や橋を造って人々の往来を楽にして、所々に安心して泊まれるような場所を造ったりするような僧のことを言う。これを自己中心的な僧は「あいつは僧で無い」と悪口を言い、利他中心的な僧は「役に立つことだ」と口先では言いながら内心「いやだな」と思っている。


①歴史的事実(過去)

 真の僧とは庶民に多くの善行をした行基のことを指している。僧侶にとって行基の行為は、異様であり到底理解できない行動だったが、彼らが最も嫌ったのは行基の民衆からの人気と信頼の高さだった。朝廷に認められた行基は大菩薩の号を与えられた。日本地図「行基図」は非常に奇妙な地図で日本列島全体が西日本側を北向きにして直立している姿で描かれている。

②歴史的事実(20世紀の日本)

 ボランティア活動は確実に日本に根付いてきた。現代は行基のような者が無数に現れている時代なのかもしれない。行基の行為を全く理解出来ない官僚や政治家などの国側の体質をも意味している。体制側はいつも大衆の力と大衆人気を恐れるからである。

③歴史的未来

 宗教活動は全て禁止される。許されるのは世界総統を神とする宗教活動のみである。世界は世界総統の憐れみの中でしか生きることが許されていない。世界総統が立っても、善行をする人物がおり、世界総統もそれを強い監視下に置くが、比較的大目に見ることが暗示されている。未来に登場する善行をなす者と組織も間違いなく神理を教える団体であることは行基を象徴に使ったことからも確かである。

(「未然紀」第次百歳第35章の現代語訳)

 天皇は常識的に真実を学ぶ。真の僧とは僧侶ではあるが常識のある行動から、これを非難してはいけない。だが、褒め称えてもいけない。


①歴史的事実(過去)

 聖徳太子は大仏や菩薩像ばかりか観音像を177体も造らせた聖武天皇のことを行き過ぎであるとして警告している。聖徳太子は道教、仏教をもって人民を治めるとしており、仏教のみに傾くことを快く思わなかった。行基は俗世間の中で善行をなし、多くの人々のために宿を建て、堤防や橋を造っただけでなく、道路まで新しく敷設した。本来、天皇が行わねばならないことだが、それを僧侶が行い、僧侶でもない天皇が仏教三昧にふける有様を皮肉交じりに残したのがこの預言である。

②歴史的事実(20世紀の日本―その1)

 政府は阪神大震災において全くその役目を果たすことが出来なかった。自衛隊は出動することが出来ず、その間に救えたはずの多くの人命が失われていった。大地震が発生した際に起こる道路渋滞の対策も形式程度で全くマニュアル化されておらず、救急車や消防車が現場に急行したくても肉親の安否を気遣う車の群れの中で全く動きが取れなかった。

③歴史的事実(20世紀の日本―その2)

 原油流出事故の際に日本の油回収船は海が荒れると使えない代物だった為、政府の危機管理能力は全く無かった。動燃事故の際でも、対応の遅さと内輪で守り合う体質を見ても、危機管理能力の無さが判明した。肝心の政治家や官僚たちだけが、巨大公共事業という箱物ばかり全国に造り続け、天下り先を無限に作り続ける体質を断ち切れない状態は仏像や寺という偶像ばかり国中に造り続け、政の本道を忘れ去った聖武天皇の時代と酷似する。

④歴史的未来

 世界的な奉仕を行う者と組織が人知の及ばない何らかの奇跡的手段で奉仕団体として認められる地位を得る。徐々に奉仕者とその組織に対し、世界中の人々の評価が高まるにつれ、統一宗教の祭司たちは不愉快に思うようになっていく。密告者制度を導入し多くの者は密告により捕えられ、世界総統への反逆罪で消されていく。奉仕をする者と組織も訴えられるが、確たる証拠も出なかった為、やがて撤回される。未来の絶対権力者も、その人々の行動に口を挟めない何かを彼らは持っている。その奉仕者と組織だけは奇跡的に暗黒時代を生き抜き、人々の光となって四方に輝き、希望の象徴となっていく。


6、終わりに

 飛鳥昭雄・山上智著「聖徳太子の秘文開封」の中に「未来記」の預言が書かれている。「未来記」は未来に確実に起こる事を聖徳太子が霊的預言しているものである。      ①「未来記」第84章の現代語訳と解説

(現代語訳)

真夜中に太陽を見る。北の方に月を出すばかり。

(解説)

この預言が言わんとしている事は、地球の昼夜が逆転してしまうということである。地球に何らかの異常が起きて『逆立ちコマ』のように首振り運動を始める。すなわち、ユラユラと揺れて一瞬にして横倒しになる。これをポールシフト(地軸移動)という。巨大な天体の大接近によるポールシフトの可能性が高いのである。

②「未来記」第83章の現代語訳と解説

(現代語訳)

羽をはやし何も無い空間に飛び、岩や石などが眼と口を現す。

(解説)

直訳的に解釈すれば、怪物のような異様な姿をした鳥が出現するか、戦闘機や大陸間弾道弾のようなミサイルが空を飛翔する天体の姿が浮かび上がってくるのである。宇宙を飛び回る羽のある天体というと光の尾を引く彗星ではないかということになる。ポールシフトを引き起こすには地球と月規模か、少なくとも月程度の大きさが無ければならない。聖徳太子は木星から誕生する巨大な原始天体が地球を目指して突進してくると警告している。飛鳥昭雄氏は、この天体をNASAがつけたコードネーム「ケツァルコアトル」としている。つまり、聖徳太子はノストラダムスと同様に聖書の預言を補完していたのである。

ノストラダムスの預言も同様であるが、「その預言を霊的に解釈出来る人だけが預言を解読出来るのである」と実感した。飛鳥昭雄氏の霊的解釈は7次元以上の能力といえる。飛鳥氏は2021年までに聖書に出てくる「海からの獣」が出現してくると解釈している。(私は、もう少し遅れるのではないかと推察している。2030年ごろではないかと思っている。)いずれにしても、その期間は暗黒時代であることは間違いない。

 2012年12月22日に地球がフォトンベルト(あるいはプラズマ・フィラメント)に突入するといわれている。地球は火の洗礼(太陽からのフォトンの洗礼)を受け5次元にアセンションすると言われている。飛鳥氏は最後の希望として行基のような人と組織の存在を挙げているが、私もその組織に参加したいと考えている一人である。